現代仮名遣いでは認められないものを挙げる。「おまえ→×おまへ」などの間違いは児童に多く、学校教育を受けるにつれて直るものであるが、以下に記す事例は、まま見られる。ただし、現代仮名遣いは、その前書きにおいて「この仮名遣いは,科学,技術,芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない。」と定めている。現代仮名遣いに沿っていないからといって個々人の表記をあげつらうのは、逆に現代仮名遣いの趣旨に反する。
こんにちわ→正:こんにちは
シンジケ ビシー リング 毬つき パイラ ハート ピーフォ プロフ たらのき ドロー サバラン かっぽう レッドベ カード シップ バーディ デシジョン たらのき キャスク レザー ギブアン デコーダ トップ パパイヤ バイオレ オロジー テルミン テンレポ カクタス モスク もくず ミシンポ ワンコイン フォルシェ ブルガリア トロント ルーメン タウン オーソス シライド おにしま レーサコテ ファイン パワー バカロ ショーツ メニュー ヤングリ マイカー ふとう
ワと発音する音節は「わ」と表記するのが原則だとしながら助詞の「は」にだけ「は」と書いてワと読ませる例を残した現代かなづかいの主観性は『私の国語教室』などで強く批判されたところだが、この規定は現行の改訂現代仮名遣いにも引き継がれた。1946年の規定では助詞の「は」を「わ」と書くことをも許容する含みを持たせていたものが、現行の規定では明確に「は」と書くと定められている[2][3]。「今日は御機嫌いかがですか」のような表現の省略されたものであり、もともと助詞の「は」だったから「は」と書くのだ、と説明されることがある
ゆう→正:いう
動詞「言う」は、発音どおりに表記するという現代仮名遣いの原則に従えば「ゆう」だが、特例として「いう」と表記すると定められている。現代仮名遣いによれば「いう」と表記して「ユー」と発音するものだが、「イ・ウ」と発音するのが正式だと誤解している者もいる[要出典]。
この他、正仮名遣(歷史的仮名遣ひ)こそ「日本語として本來あるべき仮名遣ひだ」として、現代仮名遣い自体が批判されることがある。この立場からは、先に挙げた「おまへ」の表記こそが正しく、「おまえ」の方が間違っていることになる。
品詞の転成 [編集]
品詞の転成は古くから見られる現象である。「白・青・赤・黒→白い・青い・赤い・黒い」「群れる→群・村」「すごい→すごむ」「涼しい→涼む」「広い→広める」「見せる→店」「〜すべし→〜すべきだ」「好く→好きだ」のように、今日普通に使われている語の中にも、元々は品詞の転成によって生まれたものは枚挙に暇がない。古くに品詞の転成を起こしたものは日本語の乱れとされないが、比較的最近に品詞の転成を起こしたものは日本語の乱れとされることがある。
動詞の形容詞化 [編集]
動詞「違う」を「違かった」「違くない?」のように形容詞化。同じように動詞から形容詞に転成した例には「涙ぐむ→涙ぐましい」「恐る→恐ろしい」などがあるが、これらは転成した時期が古いので日本語の乱れとはされない。
「好きではない」→「好きくない」。「好きだ」という形容動詞自体「好く」という動詞から転成したものだが、「好く→好きだ」の変化は同じ品詞の転成でもやや古く通常日本語の乱れとはされない。
形容詞の副詞化 [編集]
形容詞「すご(凄)い」を無活用のまま「すごい速い」と連用修飾で副詞的に使用。
近畿方言においては、「えらいびっくりした」のような形容詞を終止形で使用する例は江戸時代より見られる。
鼻濁音の消失 [編集]
鼻濁音[ŋ]については、以前より関西を除く西日本方言ではあまり使われていなかったが(鼻濁音は本来、関東・東北地方などの東国から近畿地方にかけてのみに認められる特徴であった)、若年層においては東京など東日本でも使われなくなる傾向がある。さらに、鼻濁音と同様の用法を持つ有声軟口蓋摩擦音[ɣ]が広まっている。これについても、年配層からは日本語の乱れであると指摘する声がある。
たとえば、程度を表す副助詞「〜くらい」と「〜ぐらい」の混用が目立ち、
「これくらい」と「これぐらい」
「息もつかないくらい」と「息もつかないぐらい」
などが挙げられる。
外来語表記 [編集]
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「コンピューター」と「コンピュータ」
「トラクター」と「トラクタ」
「ドーナツ」と「ドーナッツ」
「ホッチキス」と「ホチキス」
機械を表す外来語では、長音を伴わないのが専門用語的・学術的、伴うのが一般語的とされる傾向にある。また世代差、各人が持つ表現の嗜好によっても左右される。
固有名詞でも「ゆれ」の収まったもの(「レーガン」と「リーガン」(アイルランド系であるレーガンがアイルランドではレーガンと発音すると言うことでレーガン自身がレーガンを使ったので「ゆれ」ではない)など)と「ゆれ」の残るもの(「リンカーン」と「リンカン」、「ヒトラー」と「ヒットラー」など)がある。「BMW」の読み方は、以前はドイツ語読みの「ベーエムヴェー」が一般的だったが、近年は英語読みの「ビーエムダブリュー」(若しくは略して「ビーエム」)の方がよく用いられる。
NHKのアナウンサーは「エヌエイチケイ」と発音しているが、たとえば静岡市内を走るしずてつジャストラインの路線バスの車内放送では、「NHK前」を「エヌエッチケーまえ」と発音している。「正しい発音」だと年配の乗客が認識できず、乗り過ごしてしまう人が多いためである